MURAKAMI LAB 東京大学大学院 工学系研究科
レジリエンス工学研究センター 村上健太研究室

RESEARCH

照射欠陥挙動の測定技術で原子炉材料の劣化における線量率効果を解き明かす

科研費

原子力構造材料の照射劣化評価において、同等の照射量を与えても線量率が違う場合、異なるレベルの照射劣化が発現することを線量率効果といいます。長期間かけて徐々に発現するような経年劣化の評価では、線量率効果を適切に考慮することが特に難しい課題となります。
このプロジェクト(科研費基盤B 21H01857)では、イオン照射を使って単一の高速中性子による材料中の擾乱を精緻にモデル化し、二つの擾乱が時間的・空間的に重畳する頻度を定量化することを目指します。
残留抵抗率法と加速器結合型透過電子顕微鏡法という実験手法を開発し、鍵となるパラメータである実効的な照射欠陥の拡散定数とシンク強度を計測します。
上の動画は、新しく開発した加速器結合型電子顕微鏡で捉えたAu薄膜中の照射欠陥の挙動です。同時に形成されるひとまとまりの黒い点が、一度の擾乱によって形成された照射欠陥の集合体を表しています。視野の広さは約640×480nmです。

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